おはようございます、お久しぶりの兎月くみです。
最近は新型コロナウイルスのせいで家に引き籠っているのですが、今更ながらに ARK: Survival Evolved というゲームにハマっています。
恐竜たちが悠々跋扈する世界で、生き残るために戦ったり、手懐けたりするゲームです。
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古生物の名前は基本的に学名が多く、それらは大抵の場合(ラテン語化した古典)ギリシャ語によって命名されます。
今日は ARK に登場する生物をピックアップして、よく用いられる単語(や語幹)を12個ほど紹介してみたいと思います。
※画像はすべて Official ARK: Survival Evolved Wiki からお借りしています。
※当記事内で言う「ギリシャ語」は古典ギリシャ語であり、現代ギリシャ語とは単語や発音が異なります。
基礎編
① SAURUS サウルス
これを聞いたことがない人はいないはず。恐竜の名前と言えば「~サウルス」ですね。これはギリシャ語 σαῦρος サウロス のラテン語形1で「トカゲ」を意味します。
恐竜は大きなトカゲ(爬虫類)ですから、初めて化石が見つかった時にそのように名付けたのも頷けます。
英語の dinosaur ダイナソー の「ソー」もこれ。(deinos「恐ろしい」saurus「トカゲ」)

その他の登場例:
Ankylosaurus アンキロサウルス「骨が癒着したトカゲ」
Stegosaurus ステゴサウルス「屋根を持つトカゲ」
② -DON ドン
これが名前に付く古生物も非常に多いです。これはギリシャ語2の ὀδών オドーン に由来するもので、「歯」を意味します。ラテン語の dens (dent-) ならば、英語の「デンタルケア」「デンティスト(歯医者)」でおなじみですね。
歯はエナメル質で覆われており、化石として長く残りやすいことから、まず歯が綺麗な形で発見されることが多いんだとか。

その他の登場例:
Dimorphodon ディモルフォドン「二つの形をもつ歯」
Troodon トロオドン「傷つける歯」
③ MEGA (MEGALO-) メガ(メガロ)
コンピュータ関係の単位としてよく目にするようになり、日本でも「メガ盛り」のように使われるようになりました。「大きい」という意味のギリシャ語 μεγάλος メガロス が語源です。
発掘で見つかった「何か」がとても大きなときに、この語が使われるのでしょう。

その他の登場例:
Meganeura メガネウラ「大きな神経(のような羽)」
Megalosaurus メガロサウルス「大きなトカゲ」
生き物を表す語幹
④ ICHTHYS (ICHTHYO-) イクティス(イクチオ)
ギリシャ語の ἰχθύς イクテュス に由来し、意味は「魚」です。

※こう見えても爬虫類!
その他の登場例:
Leedsichthys リードシクティス「リーズ(人名)の魚」
Ichthyornis イクチオルニス「魚のような(背骨の)鳥」
⑤ ORNIS (ORNITHO-) オルニス(オルニト)
ギリシャ語の ὄρνις オルニス(語幹は ὄρνιθ- オルニト)に由来し、意味は「鳥」です。

その他の登場例:
Hesperornis ヘスペロルニス「西の鳥」
Ornithomimus オルニトミムス「鳥の真似」※ARKに登場する Gallimimus ガリミムス の科名
⑥ THERIUM テリウム
ギリシャ語 θηρῐ́ον テーリオン のラテン語形3で、意味は「獣」です。
主に哺乳類に用いられています。

その他の登場例:
Chalicotherium カリコテリウム「砂利の獣」
Megatherium メガテリウム「大きな獣」
⑦ PITHECUS ピテクス
ギリシャ語 πίθηκος ピテーコス のラテン語形4で、意味は「猿」です。
類人猿にもよく用いられています。

その他の登場例:
Mesopithecus メソピテクス「中間の猿」
身体の部位を表す語幹
⑧ CEROS (CERATO-) ケロス(ケラト)
ギリシャ語の κέρας ケラス に由来し、意味は「角」です。ユニコーンの corn や 英語の horn も語源は同じ。

その他の登場例:
Triceratops トリケラトプス「三つの角がある顔」
⑨ OPS オプス
ギリシャ語の ὄψ オプス に由来し、意味は「顔・目」です。
神話に出てくる Cyclops サイクロプス(キュクロプス)も「丸い目」という意味になります。

その他の登場例:
Moschops モスコプス「仔牛のような顔」
⑩ PTER- プテル
ギリシャ語の πτερόν プテロン に由来し、意味は「羽根・翼」です。英語の fether も同祖。
helicopter ヘリコプター の「プター」もこれです。(helix「螺旋」pter「翼」)

その他の登場例:
Archaeopteryx アーケオプテリクス(始祖鳥)「古代の翼を持つもの」
⑪ ONYX (ONYCHO-) オニクス(オニコ)
ギリシャ語の ὄνυξ オニュクス に由来し、意味は「爪」です。

その他の登場例:
Deinonychus デイノニクス「恐ろしい爪」
Onychonycteris オニコニクテリス「爪のあるコウモリ」
⑫ DIPLO- ディプロ
これは身体の部位ではないですが、11ではキリが悪いので数合わせに…。
ギリシャ語の δῐπλόος ディプロオス「ふたつの、二重の」に由来する接頭辞です。
英語の double と同じ語源だと言われれば、分かりやすいかもしれません。

その他の登場例:
Diplocaulus ディプロカウルス「ふたつの羊膜(大網膜)」
いかがでしたでしょうか?
私はずっと教育関係の仕事をしていましたが、子供たちには積極的にゲームやマンガに取り組むことをオススメしていました!(もちろん学校の勉強もそれなりにやってほしいですが…)
ゲームのキャラクター名や技名を「単なる名前」と思わずに、「これって何語なんだろう、どういう意味なんだろう」と考え、調べることができるような子になってもらいたいと常に考えています。
何にでも興味を持って自分でどんどん先へ踏み込むことこそが、賢くなるための一番の近道だと信じています。
これからはこうした学名にも是非注目してみてくださいね。
それでは、また!